今回紹介するのは、日本一の紅葉と名高い涸沢(からさわ)カールの絶景です。涸沢カールは、長野県松本市安曇にある日本有数の氷河圏谷です。
圏谷(けんこく)とは、ドイツ語でカールといい、氷河の侵食作用によってできた広い椀状の谷のことだそうです。
この涸沢カールは、紅葉の名所としても知られており、3段紅葉とも呼ばれる岩場と木々のコントラストが見られるため、紅葉の見頃には全国から沢山の登山者が訪れます。
この涸沢カールに今年、2,015年の10月3、4日と行ってきましたので、その様子をタイムラプスなどの動画にまとめてみました。
涸沢カールへの行き方は、以下のようになります。
まずは、上高地はマイカー規制があるため、岐阜は高山方面からアクセスする方は、平湯温泉のあかんだな駐車場へ、長野県は松本方面からアクセスする方は佐渡駐車場側に車を止めて、バスに乗り換えです。
所要時間は約30分です。上高地バスターミナルに到着するとそこからは、徒歩しか手段がなく、6〜7時間(休憩込み)も掛かってしまうというまさに秘境とも言ってもよい場所です。
所要時間は、個人の体力、荷物の量によって大きく変わってきますが、ヤマタケオンライン(http://www.yamakei-online.com/yk_map/)などを見て、コースタイムなどを参考に計画を立てると良いでしょう。
以下、参考のコースタイムです。黒字の正味移動時間は標準時間でデフォルトで、休憩時間を任意に入力できます。
まずは、定番の河童橋からの眺めです。
歩きながら道中では上高地の素晴らしい景色が満喫できます。
私の場合は、出発時間が遅かったので、横尾で一泊のテント泊をしました。翌朝から涸沢ヒュッテに向けて出発しました。
本谷橋を超えてからは、急に道に傾斜のある山道を登ることになります。
もともとテント、シュラフだけでも相当重いのに、一眼レフ☓2個、三脚、赤道儀、レンズ5個などを強引に詰め込んだリュックサックは20kgに達していました。
かなり辛い登山でしたが、涸沢まで近づいてくると、ダケカンバの素晴らしい紅葉の道が待っており、気分を盛り上げてくれます。
涸沢ヒュッテの直前の沢も絶好の撮影スポットになっていました。休憩を兼ねながら撮影します。
少し進んでは休みを何度も何度も繰り返して、結局横尾から3時間半かかって涸沢ヒュッテに到着することができました。
ヒュッテには、宿泊施設だけでなく、屋外に売店と飲食するテーブルが設けてありました。
いよいよ涸沢カールとご対面です。残念ながら、2015年10月3日では、涸沢カールから上の紅葉は終盤を迎えていました。
また、涸沢の名物でもあるテントも紅葉のようにカラフルです。
徐々に日が落ちてきます。涸沢カールは、14時以降には山に影が出始めました。また15時ころには逆光気味になってきます。
逆光気味でも夕日に照らされる紅葉は黄色くなりとてもキレイです。
また涸沢カールの名物でもある夜のテントもカラフルです。
夜の22時を過ぎてやっと月が出てきて山を照らします。後方には天の川です。
また今回の紅葉以外のメインイベントである、モルゲンロート現象が朝の5時50分ころから始まりました。
日が昇るについれて光のラインがだんだん下に降りてきます。残念ながらこの時のモルゲンロートは天候に恵まれませんでした。。
翌朝、いよいよ下山です。下山途中も紅葉を楽しめます。
下はパノラマ画像。涸沢の紅葉が180度で味わえます。クリックして拡大。
以上が2015年の撮影です、涸沢カールから上の紅葉は終盤でしたので、またチャレンジしようと思います。
※撮影日:2015年10月3日、10月4日
続いては、2016年の涸沢カールの紅葉です。
今年は9月25日に訪れましたが、ご覧の通りナナカマドが赤くならずに茶色くなって枯れてしまっていました。
今年こそは涸沢ヒュッテから上の紅葉を撮影するために若干早い時期の登山したのですが、2016年の紅葉は不発のようでした。
このため、今年は残念ながらたった数枚の写真を撮っただけで下山してきました(泣)
※撮影日:2016年9月25日
続いては、2017年の涸沢カールの紅葉です。
3年目のチャレンジの今年は、9/28(木)登山〜10/1(日)下山の3泊4日の万全の体制で紅葉の撮影に挑みました。
まずは、撮影した写真をタイムラプス動画にしてみましたので、ご覧ください。
続いては写真の紹介です、最初は涸沢ヒュッテ前の写真から。
なるべく赤いナナカマドの前を選んで広角レンズにて撮影。
左側の残雪のアクセントです。
少し望遠側の24mmにて。
こちらは涸沢ヒュッテのテラスの上からの眺めです。
2017年は素晴らしい色づきだったことが分かると思います。
夜には、名物のテントと光跡の夜景です。
続いては、山岳相談所の裏手にある岩の上も撮影スポットで、多くのテントを入れて撮影ができます。
このポイントは夜の撮影もオススメです。
続いては、同じく山岳相談所からヒュッテの裏側へ回る道から撮影です。
ここからモルゲンロートを撮影しました。
続いては、雪渓の前からのポイント。
雪渓から、さらに涸沢カール側に移動すると、昼寝ができるような大きな岩があり、この岩の上に立つと目の前に広がるカールを独り占めすることができます。
写真の中で女の子が座っている岩です。ここは涸沢カールの中でもお気に入りの絶景スポットです、是非ともこの岩の上に立ってみてください、感動すること間違いなしです。
続いては、涸沢ヒュッテの裏のヘリポートのさらに裏にある、池からの撮影です。
早朝のモルゲンロートと池の映り込みは、まさしく絶景です。
①涸沢カールの紅葉が良いこと。
②モルゲンロートがでるほど天気が曇っていないこと。
③池に氷が張らないこと、
④無風で池に波が立たないこと。
の4拍子が揃った時にだけ、この絶景が撮影できます。まさに奇跡ともいえる絶景です。
下のモルゲンロートの映り込みの写真は、9/30にほんの30秒間だけ日が刺してくれた奇跡の瞬間の撮影です。(今回のお気に入りです♪)
モルゲンロートが終わっても映り込みは撮影できます。
ただし、池が日陰になっているAM9時頃までがチャンスで、池に日が当たってしまうと反射は取れません。
また気温が低すぎて池が凍ってしまっても、このように池への映り込みは撮影できません。
続いては、涸沢小屋からの眺めです。こちらからは涸沢ヒュッテとテントを見下ろす風景が撮れます。
続いては、パノラマコースの途中(涸沢ヒュッテから徒歩5分ほど)からの景色です。
また、2017年の今回は、日本で三番目の標高を誇る奥穂高岳(3190m)への登山にもチャレンジしました。
涸沢小屋から奥穂高岳へのルートは決して容易ではありませんが、途中の紅葉は素晴らしいものでした。
このスポットへは涸沢小屋から10分ほどで到着できるので、奥穂高岳へ登山しない方へも簡単に行くことができますのでオススメです。
この後、穂高岳山荘に到着し、いよいよ奥穂高岳へ登ります。最初だけ急なはしごを登っていきます。
岩を手でつかみながら登ります。
途中、涸沢カールを見下ろす景色が絶景でした。
いつかはチャレンジしたい憧れのジャンダルムです。雲がある方が絵になります。
奥穂高岳、3190mへ登頂です。。3193mの北岳に続いて日本で三番目の標高を誇ります。(3mしか違ないんですけどね)
最後に3年間通った涸沢カールの撮影スポットをマップにしてみました。
上記の奥穂高岳から見下ろす涸沢カールの写真に、オススメの撮影スポットを全て示してみました、皆さんの参考になれば幸いです。
如何でしたでしょうか?以上で、足掛け3年にわたる涸沢カールの紹介を終わります。
涸沢カールの紅葉は、ここに辿り着く苦労した人しか味わえない、秘境の絶景でした。
登山の時間も長く体力も必要になりますので、なるべく若いうちに行っておきたい絶景スポットです。
涸沢カールへの登山用具などは、こちらの記事にまとめてありますので、ご覧ください。
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日本一の紅葉、涸沢カールを総まとめ(2015,2016,2017,2022年)+奥穂高岳登山
今回紹介するのは、日本一の紅葉と名高い涸沢(からさわ)カールの絶景です。涸沢カールは、長野県松本市安曇にある日本有数の氷河圏谷です。 圏谷(けんこく)とは、ドイツ語でカールといい、氷河の侵食作用によっ ...
※撮影日:2017年9月29日~10月2日
2022年にも4年ぶりに涸沢カールに行ってきました。
カメラも一眼レフのD850からミラーレス一眼のZ7に更新して撮影に行ってきました。
2022年の写真はこちらに動画にまとめましたのでご覧ください。
それでは撮れた写真を紹介していきます。
今回は光と影に着目して撮影しました。
いつもの涸沢カールの星空の撮影です。NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sは素晴らしい描写でした。
また天の川の撮影には、TTArtisanの魚眼レンズの11mm f/2.8 Fisheye ED を使用しました。
NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S の14mmでは天の川全体的を捉えることができないので今回導入してみました。
ニコンのZレンズではまだ純正の魚眼レンズはないため、3rdパーティー製のレンズになります。
マニュアルフォーカスではありますが、しっかりとした描写力です。
ヒュッテのテラスから天の川を撮影しました。こちらも魚眼レンズならではの構図です。
こちらのレンズです。
モルゲンロートです。矢のように筋雲が一本、現れていました。
またNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sの最大撮影倍率は約3.9倍とハーフマクロに近い性能です。
登山とNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sの相性は抜群でした。
以上で2022年の涸沢カールの紹介を終わります。
コロナ明けのためか、2022年の涸沢カールは4年前よりも更に登山客が増えているようでした。
ヒュッテの売店もすごい行列ができていまし、テントのベニヤ板もすぐになくなってしまう状態でした。
また明らかに登山装備でない若者も多く登山道も大渋滞していました、紅葉の時期に訪れる方は注意が必要です。
※撮影日:2022年10月1日、2日
///お知らせ///
2019年9月に新潟テレビさまに写真提供させて頂きました。
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当ブログの涸沢カールの写真が、レアルインターナショナル(株)様より壁紙ポスターとして発売になりました。