クルーズトレインななつ星in九州と豊後中川駅の桜トンネル

カメラ

私がニコンを使う理由。ニコンD850とソニーα7比較(がんばれニコン)

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現在、筆者はアメリカ出張中のため、以前より温めていた機材ネタで記事を書きたいと思います。

昨今、すごい勢いでソニーのミラーレス一眼であるα7が躍進しています。

カメラの売上ランキングでも常にα7シリーズが上位を独占しています。

過去記事である「デジタル一眼レフの選び方、ニコンとキャノンどっちがおすすめ? 」でも書きましたが筆者はニコンを愛用しています。

CanoVsNikon
デジタル一眼レフの選び方、ニコンとキャノンどっちがおすすめ?

秋の長雨と台風で紅葉の撮影に行けず、うずうずしている今日この頃です。 そこで、ずっと温めていた記事のネタである、デジタル一眼レフのキャノンのニコンの違いなどについてを記事にしてみます。   ...

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過去に筆者は試しにソニーのα7R3を購入して併用して使用してみました。

しかし使ってみると改めてニコン良さが分かってきて、現在ではα7R3は売却してニコンのみを愛用しています。

インターネットでは沢山の記事でα7R3とニコン機の比較をした記事がありますが、その多くが画素数やコマ数、高感度特性であったりと、数値スペック的な比較がほとんどです。

そこで今回の記事では副題を”がんばれニコン”として、数値スペックに現れないニコンを愛用し続ける理由を紹介してみたいと思います。

1:ニコンにしか出せない色がある

私がニコンを使い続ける1番の理由は、”ニコンにしか出せない色がある”です。

私がこだわっている事例でいくと、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星」の機体色である古代漆色(こだいうるしいろ)です。

古代漆色は、光の条件によって色の深みが変わって見える漆独特の色です。

この古代漆色を最も私の好みに表現しているのがニコンです。

こちらがニコンのD850で撮影した作例です。

桜咲く大畑駅とななつ星のスイッチバックとSL人吉の桜トンネル

D850 +AF-S Nikkor 300mm f/2.8G ED VR II (ISO250,F2.8,SS1/125sec

クルーズトレインななつ星in九州と豊後中川駅の桜トンネル

D850 +AF-S NIKKOR 180-400mm f/4E TC1.4 FL ED VR (ISO250,F6.3,SS1/500sec)

クルーズトレインななつ星in九州と豊後中川駅の桜トンネル

D850 +AF-S NIKKOR 180-400mm f/4E TC1.4 FL ED VR (ISO400,F6.3,SS1/640sec)

続いてはソニーのα7R3の作例を紹介します。

機体は赤みが掛かった感じに仕上がります。

現像時に調整を試みたのですが、結局ニコンと同じような色にはできませんでした。

桜咲く大畑駅とななつ星のスイッチバックとSL人吉の桜トンネル

α7R3 + FE 24-105mm F4 G OSS (ISO400,F4.0,SS1/2500sec)

桜咲く大畑駅とななつ星のスイッチバックとSL人吉の桜トンネル

α7R3 + FE 24-105mm F4 G OSS (ISO400,F4.0,SS1/1600sec)

あまりいい色が出ないので結果的に引きの写真ばかりになってしまいました。

桜咲く大畑駅とななつ星のスイッチバックとSL人吉の桜トンネル
桜咲く大畑駅とななつ星のスイッチバック(Nikon D850・Sony α7RIII)

続いての桜の撮影は、九州は熊本県にきました。 ななつ星が2018年の3月27日からルート変更により、3泊4日のコースで大畑(おこば)駅を通過することになりました。 この大畑駅は列車が急な斜面を、前後の ...

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続いては目黒川の桜の事例で比較してみます。

ニコンは色を川面に写ったマジックアワーの空の青色を鋭敏に捉えてそれを助長しているように思います。

輝く川面、東京都目黒川の夜桜ライトアップ

D850 + AF-S Nikkor 14-24mm f/2.8G (ISO400,F6.3,SS1.3sec)

ソニーの方が現実に近い色を表現しているように思います。

輝く川面、東京都目黒川の夜桜ライトアップ

α7R3 + FE 24-105mm F4 G OSS (ISO6400,F4.0,SS1/30sec)

輝く川面、東京都目黒川の夜桜ライトアップ
輝く川面、東京都目黒川の夜桜ライトアップ(Nikon D850・Sony α7RIII)

今年の桜は1週間以上も早く訪れ、慌ただしく桜の撮影シーズンが始まりました。 今回紹介するのはSNSでも有名になってきた目黒川の桜のライトアップです。 場所は東京世田谷区の目黒川沿いの宿山橋という橋です ...

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こちらは、奈良のナメゴ谷の紅葉です。

ニコンのD850は日の出前の状態で光がまだ当たっていないにも関わらず、肉眼に見えない紅葉のもつ色を引き出しました。

まるで天に登る昇竜、奈良県上北山村のナメゴ谷の紅葉(行者環岳)

D850 +AF-S NIKKOR 180-400mm f/4E TC1.4 FL ED VR (ISO200,F5.0,SS1.3sec,330mm)

まるで天に登る昇竜、奈良県上北山村のナメゴ谷の紅葉と桜(行者環岳)
まるで天に登る昇竜、奈良県上北山村のナメゴ谷の紅葉と桜(行者環岳)

続いても奈良県からの紹介で、上北山村のナメゴ谷を紹介します。 ナメゴ谷は、天川村と上北山村を結ぶR309号線「行者環林道」にある絶景スポットです。 緑色の針葉樹の中で尾根筋だけに山桜などの広葉樹が残さ ...

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続いては熊本空港の夕日です。

マジックアワーのオレンジのグラデーションを大胆に表現しています。

滑走路に沈む夕日と飛行機、熊本空港(阿蘇くまもと空港)

D850 +AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8E FL ED VR (ISO200,F9.0,SS0.4sec,200mm)

さらに、夕日に照らされた飛行機の金属ボディの質感がスゴイです。(ぜひ拡大して見てください)

滑走路に沈む夕日と飛行機、熊本空港(阿蘇くまもと空港)

D850 +AF-S NIKKOR 180-400mm f/4E TC1.4 FL ED VR (ISO1600,F5.6,SS1/50sec,550mm)

滑走路に沈む夕日と飛行機、熊本空港(阿蘇くまもと空港)
滑走路に沈む夕陽と飛行機、熊本空港(阿蘇くまもと空港)

続いて紹介するのは、これまで撮影で何度も訪れている熊本空港(阿蘇くまもと空港)を紹介します。 熊本空港は、以前にもこちらの記事で飛行機の紹介をしました。 //////2020年3月より立ち入り禁止とな ...

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私は目に見えるままの世界を映し出すことが必ずしも正解ではないと思ってます。

目に見えない違った世界が見えるのもカメラの楽しさ、新しい世界の発見だと思っています。

2:ニコンのカメラは信頼できる。自分のカメラを信頼していますか?

私がニコンを使い続ける2つ目の理由は、”カメラへの信頼”です。

ニコンは100年以上の歴史をもつ日本でも指折りの光学メーカーです。

しかしながら何故かニコンのカメラスペックはいつも控え目です。

今回では分かりやすくAFのコマ数を事例にしてみます。

ニコンのフラッグシップ機であるDの1桁シリーズは、キャノンのフラッグシップ機1DXに対してもいつも2コマ/秒遅れていますし、ソニーのα9の20コマ/秒にはかなり劣っています。

とは言え、キャノンやソニーの秒間14コマや20コマと言っても必ずしも全てのコマでピントが合っているわけではありません。

そのうち何枚かはピントが合っていない写真もあるのです、つまりはどのカメラも的中率は100%ではないのです。

その中でニコンは数よりも的中率を"より”重視した設計スペックになっています。

数打てば当たる設計思想ではなく、無駄打ちせずに確実に当てる設計思想だからニコンのコマ数のスペックが控え目なのです。

この「無駄打ちをしない」→「打ったら確実に当てる」という設計思想が、私のニコンカメラへの信頼のベースになっていると考えてます。

これはつまりニコンの一眼レフのAFで狙って失敗した場合、それは確実に自分の腕が悪かったり環境が悪かったということになります。

反対に無駄打ちを許容する設計のカメラで撮影に失敗した場合は、カメラ側の設計の要因も出てきます。

私もα7R3を使っていた時にAFが上手くいかないと、①自分の腕か環境が悪いのか?②カメラ側の設計なのか?③カメラの設定が悪いのか?④そもそもカメラの個体が不良なのか?(家電品質による疑念)の4つの疑問をもっていました。

4つも疑問を持ち、真因が特定できずに撮影していると、非常に不安でモヤモヤした撮影を行っていました。

しかし、ニコンのカメラにはこのような不安はありませんでした。

②は、控え目スペックで余裕度のある設計(一眼レフで培った位相差AFモジュール)

③は、シンプルで誤解のないユーザインタフェース

④は、NASAも使う光学カメラ品質(非家電品質)

などの理由から、満足いく写真が撮れなかった時は、①の自分か環境のどちらかがダメで、カメラは悪くないんです。

「カメラは悪くないと信じることができる」、それが道具であり相棒でもあるカメラを信頼できている、という事だと思っています。

私がニコンを使う理由。ニコンD850とソニーα7比較(がんばれニコン)

D500 +AF-S NIKKOR 180-400mm f/4E TC1.4 FL ED VR

この白頭鷲の写真は、カメラ(のAF)を信頼して、自分はフレミーングすることだけに集中して撮影できた一枚です。

信頼しているカメラで撮影を使用してそのカメラが期待に応えてくれた時の喜びはひとしおです

反対に失敗してしまった時は、自分か環境を変えるといった修正をすぐに実行できるので、結果として上達も早いですし最終的にならった写真を取ることへの近道になります。

上記はAFを事例にしましたが、基本的な設計思想は他のスペックも同じだと思っています。

皆さんは、自分のカメラを信頼できていますか?

※AFのコマ数に対しては、失敗が許されない報道のプロの世界では、微妙にピントが甘くても瞬間を漏らさらないことがより重要という思想もありますので、どちらが良いかは一概には言えません。

3:ニコンにしかないレンズがある

私がニコンを使い続ける3つ目の理由は、”ニコンにしかないレンズがある”です。

ニコンには50年以上もの歴史があり、そのNikkorレンズの累計生産本数は1億本を超えています。

しかもその間レンズマウントは変更されず「不変のFマウント」と言われています。

当然、大変多くのレンズがあり、中にはニコンにしか無いスペックのレンズがあります。

今回は3つのレンズを紹介します。

1つ目は、広角レンズ:AF-S Nikkor 14-24mm F/2.8G EDです。

14mm始まりのF2.8の明るさをもつレンズを作っているカメラメーカはニコンだけです。(3rd Partyレンズ以外)

α7のEマウントでは、12-24mmのF4と16-35mmのF2.8がありますが、前者はF4と暗く、後者は16mm始まりです。

たった2mmですが、14mmと16mmの画角の差はけっこう大きいです。

この涸沢カールのモルゲンロートは右端のテント群から左の紅葉まで14mmでギリギリの画角でした。

日本一の紅葉、涸沢カールの絶景 (2015,2016,2017年)と奥穂高岳登山(Karasawa Carl)

D850 + AF-S Nikkor 14-24mm f/2.8G (ISO64,F7.1,1/10sec)

2つ目は望遠ズームレンズの:AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR です。

現在では実売価格がたった13万円で、フルサイズ画質の500mmの超望遠の世界が手に入ってしまいます。

α7のEマウントには、FE100-400mmや200-600mmのレンズがありますが、どちらも20万円を超えています。

私はもうこのレンズは使っていませんが、これから望遠レンズを始める方にはおすすめのレンズです。

 

最後は、テレコン内蔵の望遠ズームレンズ:AF-S NIKKOR 180-400mm f/4E TC1.4 FL ED VR です。

テレコンを内蔵することで、180mm~560mmまでを1本でカバーすることのできる万能レンズです。

非常に高価なレンズですが、超望遠域をまるで単焦点レンズのような抜けの良さで撮影が可能です。

これに相当するレンズはα7のEマウントにはありません。

ニコンの豊富なレンズバリエーションは、使用するカメラボディを選ぶ上で重要なアドバンテージです。

(4):ニコンのカメラはカッコいい

最後の4つ目の理由は少しおまけですが、”ニコンのカメラはカッコいい”です。

なんだそんなことか?と思いますが、カメラは高い買い物ですので自身の所有欲を満足させることはとても重要だと思ってます。

特にニコンのデザインは質実剛健です、カメラを取り出す度にやる気にさせてくれます。

スマホやコンデジで写真を撮る時は、なんだか気が引き締まりませんよね、失敗してもいいか~という気持ちで撮影してしまいます。

しかし、ニコンのカメラで撮影をする場合は、気が引き締めて自分をそういうモードに入れてくれるデザインのカメラです。

※スナップなど緩いモードで写真を撮る場合には向かないかもしれませんね。

 

以上の4つが私がニコンを愛用し続けている理由です。

どれもスペックとして数値に現れるところではありませんが、ニコンにしかない強みだと思います。

昨今のニコンは経営状況もなかなかに厳しいようですが、1人のニコンユーザとしてニコンには是非とも頑張って欲しいです。

以上、ニコンへの応援を込めて本記事を書かせて頂きました。

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