今年は、唐松岳と涸沢カール(奥穂高)の写真の紹介をしてきました。
写真やタイムラプス動画を撮影する為には、たくさんの機材を持って登山する必要があります。
今回の記事ではカメラ機材を持ち運ぶためのおすすめの登山グッズを紹介したいと思います。
登山用リュック
リュックはグレゴリーのバルトロの75Lとしました。背中に吸い付くようなフィット感が気に入りました。
容量を75Lとしたのは、小さいカメラバッグを丸ごと入れて登山するためです。
私が登山で持参するカメラレンズは、以下です。
・D850/D810 ボディ2個 (1つはタイムラプス用)
・Nikkor14-24mm F2.8
・Nikkor24-70mm F2.8
・Nikkor20mm F1.8
・その他フィルター小道具
・三脚(1型)
とこれだけで約7Kgほどなります。これだけの機材をテントを設営したのちに、撮影の度に大きなリュックに入れてカメラを持ち運びするのはかなり大変です。
そこで、私は大きなバルトロの中に小さなカメラバッグを入れて登山しています。
つまり大きなリュックはテントに残し、小さなカメラバッグで機材を持ち運び、フットワーク良く撮影できるようにしています。
今年、唐松岳、涸沢カールで使ったカメラバックはこちらです。
このカメラバッグを縦にしてバルトロの中に収納します。
以前は巾着袋にレンズを入れて登山していた時期もありましたが、ボディが2つなるとはやりカメラバックが必要です。
また、このハクバのカメラバックのポイントは三脚を横に取り付けできることです。
この三脚ホルダーは、ありそうな機能なのですが、このサイズのバッグでは探してみるとなかなかありません。
さらに三脚の代わりにトレッキングポールも取り付けることができます、これが大変便利でした。
例えば、奥穂高岳登山では、途中でザイテングラートへ取りつきを開始すると、トレッキングポールは使わなくなります。
そのような時に、このカメラバッグへトレッキングポールを取り付けして運ぶことができました。
今回紹介したグレゴリーのバルトロについては、こちらのBC穂高さんの動画で詳細を紹介しています。
三脚
登山用の三脚選びは、なかなか難しいです。ミラーレス一眼程度の三脚であれば、適当に軽量な三脚を選んでも問題ありません。
しかしフルサイズ一眼レフとなれば、それなりの重量をもった安定感が三脚に求められます。
そこで私が選んだのは、GITZOの1型の3段のGT1532です。トラベラー三脚でもなく、マウンテニアです、しかも4段ではなくマイナーな3段です。
登山用三脚の定番のとしては、トラベラー三脚があります。
しかしながら、あえてこのマイナーなシステマティック三脚のGT1532を選んだのには、2つの理由があります。
①トラベラーはコンパクトになるが折り畳みに時間がかかる。
トラベラー三脚は、逆に折り返すことによって、全長が36~42cm程度までコンパクト畳むことができます。
しかしながら、折り返しの作業は少し手間がかかるため、スーツケースに入れるなどの場合でない限り、登山時は実用上あまり畳む場合は少ないと考えました。
その点、システマティック三脚は、ただ足を開いてセットするだけでとてもスピーディーです。
デメリットである全高は、62cmと長いですが、リュックの脇に括り付けるため登山においてはデメリットにはならないと判断しました。
②1型トラベラーは最下段の足が細い。
1型トラベラー三脚の足は、4段または5段収納の為、最下段の足の直径は、それぞれ14.7mm,11.2mmと非常に細いです。
その点、GT1532は3段収納のため、最下段の足の直径は18.2mmあり、11.2mmと比べると60%増です。
この18.2mmという直径は、GT2542などの2型三脚の最下段の足の直径と同じため、1型でありながら2型に近い安定感を持つことができると判断しました。
実際に店頭で比較してみましたが、その強度は11.2mmと比べると格段にレベルが上です。
また伸ばす足が3段の為、設置も非常にスピーディーです。
③GT1532は、重量が1.33kgある。
トラベラー三脚は、重量が1.02㎏程度ですが、GT1532はその30%高い1.33Kgです。
この1.33Kgに、梅本の雲台(SL-50ZSC:355g)を付けると、約1.7Kgとなります。
これはフルサイズ一眼レフのボディにレンズを付けた時に相当する重量です。
三脚+雲台とカメラ側の重量が、1:1程度の重量バランスを持っていないと転倒のリスクが高いというのがこれまでの私の(悲しい)体験です。
マンフロットのBefreeなどは非常に軽量なので、よほどストーンバッグを使用しない限り、一眼レフにはあまりオススメしません。
服装
服装は、デザインなど個人の趣向に大きく依存しますが、いちおう紹介します。
私がオススメするのはマムートのソフトシェルです。ソフトシェルの良いところは、適度な柔らかさを持ちながら、撥水性能が確保されている点です。
しかも、レインジャケットにありがちな、ゴワゴワ感と蒸れ感が非常に少なく、ストレスなく着ることができます。
さらによほど酷くない雨でない限り、このソフトシェルで十分カバーできます。
こちらの定番の対抗馬としては、モンベルのトレントフライヤージャケットです。
こちらもレインジャケットとしては申し分ないのですが、サイドにポケットが軽量化として削除されてます。
カメラレンズのキャップなどをしまったり、ポケットがないと使い勝手が非常に不便ということで、マムートを選択しました。
雨具
雨対策としては、モンベルのトレッキンレインポンチョを紹介します。
このトレッキングレインポンチョは、ポンチョですので、リュックごと覆うタイプです。
私がレインジャケットではなくて、ポンチョを選んだ理由は2つあります。
①ポンチョであれば、雨が降っていたも、カメラを首から下げたままポンチョに入れて、撮影できる。
②ポンチョであれば、普段の撮影でも使える。私のメインのカメラバッグは、ThinkTankのリュックのため、このレインポンチョでカバーすることができます。
ということで、私はポンチョを選択しました。
トレッキング専用なので、頭を覆うフードも、目の上のツバの角度を調整できたりと、よくできています。
テント
テントは、モンベルの定番のステラリッジの2型を使っています。バルトロの75Lという大きなリュックをテント内に置くためには、最低でも2型が必要と判断しました。
こちらの定番の対抗馬は、アライテントのトレックライズの2型です。
どちらのテントもスリーブ式で組み立て性にはさほど差はありません。しかしトレックライズは、側面に前室がありスペースを大きくとることができる為、食事を作ったりと使い勝手はトレックライズに軍配が上がると思います。
しかしながら、最終的には使い勝手が悪いことを知りながらも、私はモンベルを選びました。理由は、このような写真を撮りたかったからです。。
モンベルのテントは、黄色い光が外に漏れて、Mont-bellのロゴがしっかりと浮かび上がり、夜のテントとして非常に美しいと思います。
アライテントは、レインカバーは厚いためか、モンベルのテントのようにテント内の光が外に透けて見えませんでした。
このような理由でテントを選ぶのはどうかと思いますが、私の選択として紹介させて頂きました。
寝袋・シュラフ
登山において寝袋・シュラフ選びはとても大切だと思います。紅葉の季節では涸沢カールなどはかなり気温が低く2度くらいまで落ちる場合もあります。
このような寒さに耐えることができないと、夜通し寒さに震えて寝ることができないといった事態になってしまいます。
ということで、ISUKA(イスカ)の450EXをお勧めします。最低使用温度がー6度ということで、秋の涸沢カールではそこまで下がらないのでオーバースペックに思うかも知れません。
しかし、あくまでも最低使用温度ですので、快適に寝ることができる温度ではないと考えています。
理由は、一つ下のスペックの280EXを2016年の涸沢カールで使用しましたが、かなり寒かく寝付くことができませんでした。
ということで、450EXをお勧めします。
また、さらにスリーピングバッグカバーを、シュラフの上からかぶると更に暖かいです。(体感的に+1度でしょうか)
このシュラフカバーですが、ゴアテックス製は値段が高いのですが、このシュラフカバーはゴアテックスでは無い為、安価で購入できます。
また、テント内は結露しやすいので、シュラフが結露で濡れることも防止してくれるので、お勧めの一品です。
また、テント内は結露しやすいので、シュラフが結露で濡れることも防止してくれるので、お勧めの一品です。
トレッキングポール
トレッキングポールは、モンベルのTグリップを使っています。
Tグリップを使っている理由は、重い荷物を持っているので、体重をかけてTグリップをにかけて登るときが(私は)多いので、個人的にTグリップを好んで使っています。
Tグリップのついた2WAY式もありますが、Tグリップ専用のほうが明らかに軽量のため、長時間使用していても明らかに疲れにくいです。
ヘルメット
奥穂高岳への登山は、ヘルメットの着用が推奨されています。(ほとんどの方が着用されています)
涸沢ヒュッテでヘルメットをレンタルすることも可能ですが、紅葉の繁忙期に、もしレンタル品の在庫が無かったら、などのリスクを考え自費購入をしました。
マムートのショップで進められたのは、このWALLRIDER(ウォールライダー)です。
マムートのヘルメットでもいくつか種類がありますが、このウォールライダー最も軽く、一日中着用していても首に負担がないとの事で進められました。
実際に、同じマムートのヘルメットで100g重いヘルメットを着用してみましたが、首にかかる負担がかなり違いましたので、オススメです。
その他便利グッズ
インシンジの5本足のインナーソックスです。このインナーを履いてさらに普通の靴下を重ね履きして登山しています。
このインナーを履くことで、5本の指がしっかり分離し、地面をつかむ感じで歩くことができます。
また登山の度に、小指の指の腹に水ぶくれができていたのですが、このインナーのおかげで軽減されました。
ザムストの膝サポーターです。私のように下山の時には必ず膝が痛くなる人は、多いのではないでしょうか?私はいつも下山時に左ひざが痛くなり、足を引きずりながら下山することが多かったです。
それがこのサポーターを付けてた時は膝は傷みませんでした。左右の足に共用です。私は左足用に1本だけ購入しました。
以上、お勧めの機材を紹介させて頂きました。
ここまで、持っていく物を紹介しましたが、最後に持っていかない物を紹介します。
持って行かない物
今年の2017年の涸沢カールの撮影には、食事と料理用具(バーナー、ガス含む)を一切持っていきませんでした。
理由は、軽量化です。以前は私もカップラーメンやフリーズドライ食品、カロリーメイトなどを持参していたのですが、発生したゴミを持ち帰るのが大変です。
カレーのカップヌードルの場合は、袋で縛ってもカレーの残り香が残りますし、3泊4日ともなるとその量はばかになりません。
そこで、2017年は、食事は全てを涸沢ヒュッテや涸沢小屋で調達しました。
下の写真は涸沢ヒュッテの売店ですが、ラーメン、カレー、おでん、かなり充実しています。
また、下の写真のように、カップラーメンも充実しています。
自分でバーナーでお湯を沸かしてカップラーメンを作るのには時間がかかりますが、涸沢ヒュッテの売店で買うと、お姉さんがさっと大鍋からお湯を入れてくれるだけなので、蓋をして3分待つだけで完了です。
早朝からモルゲンロートの撮影で凍えた身体を温めたい時には、この待ち時間の少なさはとても助かりますし、次の行動への時間短縮になります。しかもゴミを引き取ってくれるのがとても助かります。
カップラーメンは1個400円なので、高いと思うかもしれませんが、コンビニでカップラーメンを買っても120円ほどはしますよね。差額の280円で、上のメリットが得られるのなら安いものだと判断しました。
また、涸沢ヒュッテへの宿泊者でなくても、涸沢ヒュッテで、夕食と朝食を注文することができます。夕食は2500円で、内容も充実しています。
次回持っていきたい物
次回持っていきたいものは、それはスタビライザーです。
最近はスマホはもちろんミラーレス一眼も十分に保持できるスタビライザーが安価で手に入るようになりました。
ZHIYUN(ジーウン)は2015年に設立されたジンバル(スタビライザー)の専門メーカーです。
中国メーカではありますが、専門メーカーなので安定性は業界でも定評があるそうです。
値段も安価でミラーレス一用であれば3万円代で手に入るものもあるようです。(下のリンクからHPに飛べます)
疲れにくい登り方
最後に「疲れにくい登り方」として、山旅クラブさんの動画を紹介します。
今年の登山はこの動画の登り方のおかげでかなり疲れることなく登山ができました。
疲れにくい登り方としてざっと4点ほど挙げてみました。
①前を見て身体を立てる
②後ろの足で体を押し上げる(写真の赤丸)
③前の足は使わない(添えるだけ:ふくらはぎは使わない)
④歩幅は小さく
これまで20Kgに近い荷物をしょっての登山の登坂は辛いものでしかありませんでしたが、この登り方を覚えてからはかなり楽しめる余裕ができてきました。
皆さんも是非トライしてみてください。
おまけ
最後に、徳沢園のラーメンを紹介して終わります。(だんだんと本筋から外れてきました。。)
麺と鶏ガラスープも自家製とのことで、予想外にとても美味しかったです。
徳沢園はソフトクリームが有名ですが、是非ラーメンもお試しください。
以上で、涸沢カールへテント泊登山する時のカメラと持ち物のススメを終わります。
カメラと同じく登山も道具選びからスタートする趣味ですので、慎重に選んでいきたいですよね。
この記事が皆さんの参考になれば幸いです。
涸沢カールと奥穂高の写真は、こちらの過去記事にまとめてありますので、ご覧ください。
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日本一の紅葉、涸沢カールを総まとめ(2015,2016,2017,2022年)+奥穂高岳登山
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