久しぶりの写真撮影は、何年も前からチャンスを狙っていた広島県の宮島の水中花火です。
この宮島の水中花火の場所は、世界文化遺産で有名な宮島にある厳島神社の前の海で行われます。
今年2017年の宮島の水中花火大会は、毎年8月11日頃に実施されているのですが、今年は8月26日の開催となりました。
写真家にも有名な花火大会でたくさんのカメラマンが毎年場所取りで火花を散らす有名な花火大会のようです。
そんな宮島の花火大会の場所はこちら。
私の渋滞回避の為のおすすめのアクセス方法はこちらの瀬戸内海汽船(http://setonaikaikisen.co.jp/)です。
定番の移動手段は、JR宮島口駅からのJR西日本宮島フェリーなのですが、毎年恒例の大混雑が発生します。
そのため、瀬戸内海汽船は、費用が往復のフリーパスで3300円と若干割高なのですが、待ち時間が少ないため、十分にその価値はあると思いますで、オススメです。
何しろ、花火大会に30万人集まり、そのうち5万人が宮島に渡るのですからその混雑は大変なものです。
この瀬戸内海汽船は、広島港宇品旅客ターミナルから出発します。場所はこちら。
駐車場はターミナル前の公園の有料駐車場に停めることができます。お昼くらいの時間でも駐車場には空きがありました。
JR宮島口駅付近の駐車場は、朝の8時に来てもなかなか空きが無いようです。また帰りも大混雑で全く動けなくなるそうですので、相当の覚悟が必要だと思われます。
続いては、撮影ポイントの紹介です。
今回の宮島の水中花火において、私の撮影したかった写真は、トップにあるような厳島神社の大鳥居と人のシルエットの写真です。
特に人のシルエットの写真撮るためには、潮が引き潮のタイミングで花火大会が行われる必要があります。
引き潮でないと大鳥居の前は、潮位(水位のこと)が2mほどありとても人は入ることができません。
そこで、宮島観光協会のHPの潮汐表(ちょうせきひょう)を使って潮位を調べてみました。(http://www.miyajima.or.jp/index.html)
これによると、「潮位100cm以下だと鳥居まで歩いていける」とのこと。
当日の花火の時間は、19:40~20:40分なので、97cm~202cmであり、潮位が約100cmも変動するとことになります。
つまりは、私のような厳島神社に行った事がない人には、この時間帯に人が入れるかどうかは、潮位だけではなんとも判断がつきません。
そこでインターネットで、鳥居と人のシルエットの写真を調べるみると、直近の過去は2013年に撮影されているようでした。
それに基づき、2013年と今年の開催予定日である2017年の8月26日の潮汐を比較してみました。
比較に使用したのは、こちらの潮汐表のtide736というサイトです。(http://tide736.net/)
これによると、2013年の干潮は、18時27分に74.9cmであるのに対して、2017年の干潮は、18時12分に64.2cmとなっており非常に類似しています。
この比較結果から今年は2013年と同じような潮位の写真が撮れるだろうと予測を立て、撮影に行くことを決定しました。
また、干潮の年に宮島の水中花火に行くことは、もう一つメリットがあります。それは壮絶な場所取り合戦に巻き込まれずに済むということです。
なぜなら(下の写真のように)潮が満ちている昼間の間は場所取りができないので、みんな水際で待機しているからです。
下の写真のように、徐々に潮が引くと同時にみんな三脚を前に移動しながら場所を確保していきます。
ですので、極端なことをいうと、花火大会の当日の夕方の到着でも十分に撮影の場所を確保することができます。
ただし、三脚は塩水につかるので、スーパーなどにある傘入れようの袋を履かせておきました。
また、長靴も持参したほうが良いでしょう。サンダルでも構いませんが、海藻や藻がまとわりついて大変そうでした。
徐々に日が暮れてくると、干潮になります。
さて、花火の写真を紹介する前に、撮影場所の確保の次に、宮島の水中花火の撮影で重要なことをお伝えします。
それは、水中花火は、爆発するタイミングが分からないということです。
通常の打ち上げ花火であれば、「ひゅ~」と上がっていく「音」も「光」も認識できる為、爆発するタイミングをつかむことが容易です。
しかしながら、水中花火は、当たり前ですが、水中で爆発するので、そのどちらもタイミングをつかむことができません。
そこで紹介するのが、水中花火を落としていく回転灯のついた船を見ることです。
上の写真は、20秒の露出なので、線のように見えますが、オレンジ(黄色?)の回転灯を点灯させた船が、水中花火を落としていきます。
船は正面の鳥居に向かって、左から右に向かって進み、鳥居の付近まで来ると、また元の場所に戻っていきます。
ですので、水中花火の爆発のタイミングは、この回転灯の船が通った後に爆発する、ということでタイミングをつかみます。
※ただし、水中花火は気づいた時には爆発しているので、船が通る時は、爆発前からシャッターを開けておく必要があります。
※この情報は全て、当日のベテランのカメラマンから頂きました、これを知らずに撮影に望んでいたら。。と思うとゾッとします。感謝です。
それでは、撮れた写真を紹介していきます。
最初は、以下の絵の「赤」の矢印の場所から撮影しました。
しかし、私はサイトトップにあるような、鳥居のシルエットを出すため、水中花火を重ね合わせたかったのですが、下の写真のように左にずれてしまい重なっていません。
そこで、徐々に右に移動し、星印のある「青」の線のポイントから撮影を行いました。
※ちなみに「黄色」の線のポイントの崖の上は、水中花火と鳥居が重なる激戦区です。
また、上の写真では、まだ潮が満ちてきていないため、水面への反射は少なめです。
しかし、8:30以降の下の写真では、潮が満ちてきて水面への反射が多くなってとてもきれいです。
宮島の水中花火のプログラムを見ると、花火の打ち上げは7回に分けて行われます。
理由は、煙が引くのを待って、花火をより美しく鑑賞する為だと思われます。
第5景くらいから、徐々に潮が満ちてきて、20:30頃からの第6,7景では、下の写真のように水中花火が上下にキレイに映り込みしてくれました。
下の写真は、多重露出です。※花火の多重露出については、過去記事(工場夜景)を参照してください。
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夜の宝石箱、工場萌えする四日市コンビナートの工場夜景(多重露出撮影)
今回は以前からずっと撮影してみたかった工場夜景を撮影してみました。 場所は日本でも有数の工業地帯である四日市コンビナートです。 タイトルにある工場萌えとは、Wikiによると、コンビナートや工場の夜間照 ...
ちょっとインチキして花火の位置もずらしてバランスをとっています。
最後に補足ですが、今回の撮影では、露出を抑える目的でPLフィルターを使いました。
D810ならではの低感度ISO64と組み合わせると、2段分露出を抑えることができます、その結果どの写真もF5.6やF6.3など開いた絞りで撮影しています。
花火は明るいのでF16やF22など絞って露出を抑えがちですが、背反として線が細くなる傾向があります。
ニコンの14-24mmは出目金レンズなので通常のフィルターは装着できないので、以下のPLフィルターを使っています。
以上で宮島の水中花火大会の紹介を終わります。
瀬戸内海汽船のおかげで、帰りもさほど(30分程度?)待つことなく本土に戻ることができました。
今回は4年ぶりでしたが、次の干潮の花火大会は何年後になるでしょうか?
場所取りが激戦ですが、いつかは満潮時の撮影にもチャレンジしてみたいですね。
※撮影日:2017年8月26日