夏の日本らしい風景で撮ってみたいものの一つにホタルの飛翔がありました。
そこで地元愛知県で探したところ、岡崎市のホタルの里というところが有名な飛翔スポットであることが分かりました。しかも、Webサイトも非常に手入れされており、毎日のホタルの飛翔数が掲載されており、シーズンの情報がつかみやすいのが人気スポットに理由です。鳥川(とっかわ)ホタルの里のサイト(http://www.morinoeki.jp/hotaru_20.html)
場所は、こちら。 Webサイトにも記載がありますが、シーズン中は混雑するので、額田方面からアクセスしてくださいとのことでした。
筆者は、今年は6/13(土)に行ってきましたが、ものすごい車の数で数キロにわたって路上駐車の長蛇の列です。
写真を撮る人は、下見も兼ねて、午後4時前には到着しておいたほうが良いでしょう。
大きく撮影ポイントは、2つあり、1つは鳥川の周辺、もう1つは大原川の周辺です。
今回の筆者の筆者の撮影ポイントは、鳥川側の以下の場所でした。
それでは、撮れた写真を紹介していきます。
今回使用したレンズは、この sigma 35mm f1.4 DG HSM Art です。
35mmという標準画角でF1.4という明るさは、スナップでもぼかしが効きますし、このような夜の撮影でも威力を発揮してくれます。
こちらは20秒×4枚の多重露出です。
こちらも20秒×4枚の多重露出です。
こちらは20秒×3枚の多重露出です。
最後は、川辺の反射に写ったホタルの飛翔です、より沢山のホタルがいるかの様に見えます。
こちらは5枚の多重露出です。
いかがでしょうか?どの写真も沢山ホタルが飛んでいる写真のように見えると思います。
しかし、この実際には、これだけの数がのホタルが同時に飛翔している訳ではありません。
残念ながら?これは多重露出という方法で複数の画像を合成した写真になります。こうすることでホタルの軌跡をよりたくさん1枚に表現することが可能になります。
それでは、多重露出も含めた一連のホタルの撮影方法を紹介します。
1:三脚でカメラ位置を固定する
多重露出において、画像を合成するので、カメラの位置にブレがないことが大前提ですので、三脚でカメラを固定します。
2:ピントをマニュアルにして明るいうちにピントを合わせる
暗くなってしまうとAFは効きませんので、マニュアルフォーカスにして、昼間のうちにピントを合わせて固定します。できればピントリングをテープで止めて固定します。
3:10〜20秒ほどの長時間露光をする
ホタルの軌跡を捉えるため、ある程度の長さの長時間の露光を行います。モードはマニュアル。絞りは出来るだけ明るめで、ホタルの軌跡の太さなどを見て決めましょう。
露出時間があまり長くなりすぎると、ノイズがのってきますので、10から20秒ほどの露出時間でよいと思います。
4:高速連写モードにして、レリーズをロックする。(3を連続して撮影する)
このようなレリーズを使い、レリーズボタンをロックします。
また撮影モードを高速連写に設定します。そうすることで、3の10〜20秒の長時間露光をカメラが繰り返して撮影を行います(長時間露光の連続撮影)
合成したいカットが撮れた時点で撮影終了です。自宅にもどって多重露出を行います。
次には、キャノンの現像ソフトDPP(Digital Photo Professional)をつかった多重露出の方法を紹介します。
※多重合成はDPP4の場合は、バーションは最新の4.2.32.0からの対応です。 DPP3ではどのバージョンも対応しています。
1;合成のベースとなる画像を選択して、多重合成ツールを起動する
2:合成したい(重ねたい)画像を選択し、合成方法を選択する。
合成方法は、基本は比較明合成をお勧めします。
比較明合成とは、合成する際に、まず合成ベースと合成画像を画素単位で比較を行います。そしてどちらの画素が明るいか比較を行います。
そして明るいほうの画像のデータを使って合成を行います。つまり2枚の画像のうちで明るい画素が残っていくことになります。
そのため、画像全体の明るさは、一定に保たれます。
もし、加算をおこなうと、画像全体の明るさも上がってしまいます。(意図的上げたい場合は、加算を行います)
なかなか合成のイメージつかないかもしれないので、それぞれの合成のイメージを作ってみました。
まずは、比較明合成のイメージです。全体の露出は保たれます。
次に加算合成のイメージです。加算合成は単純に全画素の輝度を足し算しますので、全体の露出が2倍になります。
DPPの手順としては、以下のようになります。最後に保存して終了です。
どうでしたでしょうか? 今年のホタルのシーズンは既に終わってしまいましたので、是非来年にチャレンジしてみてください。
※撮影日:2015年6月13日