次の記事でもスペインの紹介を続けていきます。
サクラダファミリアでは何枚かHDRを作成してみたので、ここで紹介してみたいと思います。
HDRの撮影方法
HDRとは、過去記事でも触れましたが、異なる露出の複数の写真を合成して、露出の適正な部分を取り出すイイとこ取りするような手法です。
方法としては、露出を±1段ごとずらして撮影したものを合成する方法が一般的です。(後述するPhotomatrixでは単一画像からでも生成できます)
以下のように露出ブラケット撮影にて3枚撮影します。
上から順番に露出の低い順に並べました。撮影情報を見ると分かりますが、SS:シャッター速度が、1/1000,1/500,1/250と2倍の遅くなっている(つまり2倍の露出)となっているのが分かります。
DPPにてHDRを作成する。
まずは、キャノン純正の現像ソフトDPP(Digital Photo Professional)によるHDRの方法を紹介します。まずは、DPP上でHDRしたい画像をCRTキーを押しながら選択して、「ツール」→「HDRツールを起動」を選択します。
以下の画面がでるので、HDR開始をクリック。
プリセットのプルバーから好きなモードを選択します、今回はHDRが分かりやすいように絵画調を選択します。
出来上がった画像がこちら。(歪みも補正しています)
3枚の画像の適正露出の部分が合成されてるのが分かります。
Photomatrixを使ったHDR合成
PhotomartrixとはHDR合成専用のソフトであり、有料ソフトではありますが、トーンマッピングという手法でHDR画像にさらにインパクトを与えてくれます。
サイトはこちら。http://www.hdrsoft.com/jp/
ソフトを立ち上げると、こちらの画面が開きます。左上のブラケット画像の読み込みのボタンをクリックします。
HDRする画像を選択すると、以下の画面が開きます。手持ち撮影を選択すると、画像の僅かなズレも補正してくれます。
次にゴースト除去の確認画面が開きます。ここで拡大して画像にブレのようなゴーストが見られる場合は、ゴーストの除去が可能です。このような機能はDPPよりも格段に良いです。
次に、HDR画像の仕上がりイメージを決めるトーンマッピングの強さなどのパラメータを調整します。今回は、絵画調にしてみました。
最後に仕上げのコントラストなど調整して、保存します。
出来上がった画像はこちら。(歪みも補正しています)
どうでしょうか?DPPのHDR画像と比較して非常にインパクトのある画像になっています。また、Photomatrixは1枚の画像からでもHDR画像が生成できることも特徴です。
HDR画像は、現実とかけ離れたインパクトを与えられるのは非常に良いのですが、やり過ぎると逆に欠点にもなり得るので注意が必要なところかも知れません。
このPhotomatrixは、11000円の有料ソフトですが、今後ずっと使えることを考えると買っておいて決して損になることのない値段だと思います。
カメラ内HDR現像
近 年は、カメラ内でHDR画像が作成できるHDRモードが付いているカメラが増えてきました。しかし、カメラ内部のCPUで処理できる程度の画像合成となっ てしまうため、出来上がった画質はそれなりの画質でした。ですので画質にこだわる方は、パソコン内でのHDR生成をオススメします。
如何でしたでしょうか? HDRは難しい方法ではないので、皆さんも是非トライしてくださいね。
※撮影日:2016年2月14日